日本製アイスアックス「旭」とともに挑む小武芽生選手の新たなる戦い!!

コンペティション仕様のアイスアックスを独自開発する旭鉄工より、今シーズンアイスクライミングワールドカップへ挑む小武芽生選手へアイスアックス「旭」の提供が決まった。

小武芽生選手のコメント
5年ほど前からずっとアイスクライミングにチャレンジしたいと思っていました。そして今回の決意を機に、最高のアイスアックス「旭」を提供いただくことができて、本当に嬉しく思っています。自分の身体の一部のように使いこなせるように練習に励みたいと思います。また、ワールドカップで良い成果を出せるように頑張ります。

フリークライミング日本代表 小武芽生選手
設計者が自ら「旭」で試験登攀する様子

新たなる挑戦、旭との出会い

小武選手は言わずと知れたフリークライミングの日本代表選手であるが、アイスクライミングの経験はまだ少ない。
2019年3月に行われたモンチュラドライツーリングチャンピオンシップ2019にも参加したが、慣れないアイスアックスとフルートブーツの扱いに苦戦し、上位進出とはならなかった。

モンチュラドライツーリングチャンピオンシップ2019のリザルト

そんな中、次のシーズンのアイスクライミングワールドカップへの挑戦を表明した小武選手。
一方、旭の設計者であり、自身もコンペティターとしてドライツーリングに情熱を注ぐ岩瀬草太氏がチャンピオンシップでの小武選手をみて、ぜひ旭を使って登って欲しいと思ったことがはじまりである。その後、旭の存在を知った小武選手側から旭鉄工へ正式なオファーを出したようだ。「人とは違う事をしたい」という小武選手の考えに対して旭鉄工の木村社長も共感したという。
こうして小武選手と旭はアイスクライミングの世界に向けてその一歩を踏み出したのである。

小武選手と木村社長

アイスアックス「旭」の強み

旭鉄工の開発したアイスアックス「旭」は、三段に分離された持ち手とレギュレーションのフルサイズとなるシャフトの長さがストロングポイントとなっている。
比較的小柄な小武選手にとっては、この長さは心強い武器となるはずだ。

レギュレーションのフルサイズとなる旭

設計者岩瀬氏のコメントも紹介しておきたい。
「旭の強みの一つはそのリーチの長さ。長身な選手が使用してももちろん優位なアックスだが、小柄な芽生選手のような女子選手が使う事でその性能が発揮されると言える。優位性を活かし世界で躍動してもらいたい。」

フリークライミングで培った圧倒的なクライミングスキルと、技術の結集とも言える最先端ギアのコラボレーションに今シーズン最大の注目が集まることだろう。

旭についての考察は以下の記事を参照

世界を驚愕させた日本メーカーの本気。3段アックス”旭”の挑戦

国内女子選手たちとの戦い

もともと競技人口の少ないドライツーリング(競技アイスクライミング)だが、近年は女子選手のレベルが高くなり、少しずつ選手層も厚くなりつつある。
小武選手のライバル筆頭としては、国内コンペで毎回優勝し続ける竹内春子選手だろう。昨シーズンのワールドカップにも全戦に出場し、世界ランク13位という結果を残している。
そのほか、経験豊富なプロ・アイスクライマー八木名恵選手やアルパインクライマー笹川淳子選手(銀嶺会)など、国内の実力者たちが今シーズンのアイスクライミングワールドカップを目指すことが予想される。

今シーズンより、国ごとの参加枠が6人までに減少したことにより、まずは出場に向けて日本国内での厳しい戦いが待ち構えているかも知れない。
今後とも小武選手と旭の活躍に大いに期待したい。

取材協力:旭鉄工株式会社、小武芽生選手