ドライツーリング(drytooling)とは?

ドライツーリング(drytooling)とは?

ドライツーリングとは、岩稜帯または人工ホールドにおいて、アックスとアイゼンを用いて登るスポーツクライミングの一種です。ドラツーと略すこともあります。

氷瀑と岩稜帯が入り混じるアルパインシーンから発展したミックスクライミングという登攀技術がありますが、ドライツーリングはそこから派生した、岩稜帯をアックスとアイゼンで登る技術です。

強傾斜の岩壁でのドライツーリング

人口壁でのドライツーリング練習

ドライツーリングは広義では、ミックスクライミングの一種とも言えますが、氷瀑を必要としないため、季節を問わず一年を通して楽しむことができます。そのため、アイスクライミングやアルパインクライミングのオフシーズンの練習としてもドライツーリングは度々行われます。

ミックスクライミングの練習
ミックスクライミングの様子

ミックスクライミング(M9)
ミックスクライミングの様子(M9)

北海道の神居古潭や宮城県の二口渓谷等、日本にもミックスクライミングの代表的なゲレンデがいくつかあります。
ルートのグレード表記をM+数字で表します。対して、ドライツーリングの場合はグレードをD+数字で表します。グレード表記の詳細は以下の記事で紹介しています。

ドライツーリングのグレード表記について

競技としてのアイスクライミング

国内外でドライツーリングは競技としても行われており、少々わかりづらいですが、アイスクライミングのコンペと銘打って開催されることが多いです。

一般的にアイスクライミングのコンペでは、実際のアイスがルート全体を占めるわけではなく、アックスをフッキングするための人工ホールドやアイゼンを蹴り込むためのコンパネが使われることがほとんどです。また、マグロと呼ばれる木片や金属のチェーンが吊るされる場合もあり、非常にパターンの富んだホールドが用いられます。

そのため、競技におけるアイスクライミングでは、アルパインのシーンではあり得ないような傾斜やアクロバティックなムーブが求められることもあり、アイスクライミングにとどまらず、ドライツーリング特有の技術が試されます。


コンペでのドライツーリング(モンチュラ・ナナーズカップ2018 オープン男子決勝@長野県川上村)

Ouray Ice Festival 2018 ミックスクライミングリードコンペの様子(アメリカコロラド州)
Ouray Ice Festival 2018 ミックスクライミングリードコンペの様子(アメリカコロラド州)

昭島ドライツーリングコンペ2018年6月
昭島ドライツーリングコンペ2018年6月

アイスクライミングとドライツーリングの違い

進化するドライツーリングギア

近年、登攀用具の発展も目覚ましく、これまでアルパイン、アイスクライミングのシーンで使われてきたギアに比べ、よりコンペ仕様に特化した先鋭的なアックスやピック、アイゼン一体型のブーツ(=フルートブーツ)が登場しています。高難度の課題を求める競技志向の選手の間では、これらの装備が標準になりつつあります。
ドライツーリング(drytooling)は、toolという名の通り、道具によって有利不利に大きく差がつくことがあります。道具を知り、自分にとって最適なチューニングを施すことも重要になります。

しかしながら日本では、未だにこれらのギアの入手難易度が高く、練習環境も限られているため、スポーツクライミングのジャンルとしては非常にマイノリティーな存在となっています。

本サイトでは、そんなドライツーリングの魅力をひとつでも多く紹介できればと思っています。

 

ギアについては以下の記事で紹介していきます。

クルコノギ(krukonogi)とは?

フルートブーツとは?

ドライツーリングのコンペで実際に使用されているアックス

カシン Xドリーム(Cassin X-Dream)の改造レポート