コスパ最強?!ICT Dragon2 【ギアレポ】

イランのギアメーカーICT(Iran Climb Technology)より展開されているドライツーリング向けアイスアックスは、現行のラインナップで3種類あるが、その中で最も低価格であるDragon2(ドラゴン2)について紹介していきたい。

ICT Dragon2

エントリーモデルと思いきや、ハイエンドクラスと同等のスペック

ICTの中では価格的に見れば上位モデルに位置するであろうGravityとSea horseの存在があるが、Dragon2は決してエントリーモデルという位置付けではないようだ。
まず、長さは申し分なく、アイスクライミングワールドカップにおけるレギュレーションサイズのフルサイズアックスとなっている。ハンドルの大きさはkrukonogiの最新モデルであるAnchor4と同等で男子選手でも拳2つ分すっぽり収まる。
シャフトのデザインや形状は同じくkrukonogiの名器TVOROGによく似ている。ロシアンアックスを強く意識した作りである。
また、ほかにICTの特長としては、カラーバリエーションが豊富なことである。このDragon2も複数色が展開されているようだ。

Dragon2とAnchor2
Anchor2とDragon2
Dragon2とTVOROG
TVOROGとDragon2
Dragon2とOcta
OctaとDragon2
Dragon2とSea horse
Sea horseとDragon2

強度や拡張性はどうか

グリップテープを巻いた状態ではあるが、Dragon2の重量を実際に計測したところ639gだった。デフォルトの状態では概ね600gといったところか。レギュレーションのフルサイズアックスとしては、まずまずの軽量性を評価できる。
強度については、長時間使ったわけではないので、何とも言い難いが、不安を覚えるのはデフォルトのピックだ。こちらはkrukonogiやIRと比較すると、強度が心許ない。
注目すべきは、Dragon2のピックがグリベルのフォースアロイのピックと形状が非常によく似ている点だ。完全な互換性はないが、固定用の穴の位置は一致しており、少し加工すれば換装できそうだ。つまり、互換性のあるkrukonogiピックも簡単に換装できそうというわけだ。完全な互換性がないのは、もはや意図的なのか。非常に興味深いところである。

韓国製フォースアロイ用ピックが換装できそうだが、わずかに噛み合わない
クルコノギピックを付けるためには加工が必要
ロシア、イラン、韓国のピック比較

格安アックスの時代は来るか?

気になる価格だが、実際に輸入した猛者の話では、1ペア3万円台だという。もちろん新品でピック付き、送料込みとのことだ。
まだまだ謎が多いイランギアだが、本格的なコンペティション仕様の割にリーズナブルな価格設定は大きな魅力であり、高いポテンシャルを秘めていることは間違いない。
今後、日本のドライツーリング愛好家たちの間でどれほど浸透するのか注目だ。