2024年11月9 日、東京都青梅市にある「ice_point」においてドライツーリングコンペが開催された。
参加者はアイスクライミング・ワールドカップに出場していない男子を中心に10名、女子からは昨年のUIAA Ice Climbing World Cup にて世界ランキング5位の成績を残した竹内春子が唯一の参加となった。
予選
予選は15手程度のショート課題が5つ用意された。
ルールは予選終了時間まで順番に何度も機会が回ってくる方式で、どの課題からトライしても、何回トライしてもokという内容になった。
1回あたりの持ち時間は3分。完登か2フォールで次の登攀者に交代となる。
オーソドックスな課題から、フィジカル系、ルーフのみの課題など多彩な予選課題となった。
伏兵現る!波乱の高難度準決勝
予選上位6名が準決勝へ進出した。
準決勝からはオンサイト方式となる。
2手目から距離も遠くハードなムーブを強いられ、6名中5名が突破できない波乱となった。
その中で、今回のコンペの為に1ヶ月間トレーニングを積んできた田中(杉並労山)が唯一難所を突破しスコアを進めた。
予選でも高難度課題を唯一完登しており、しなやかなムーブと瞬発力のあるパワーの潜在能力は未だ未知数である。
今後の活躍がとても期待される。
決勝進出者は主催者の提案で準決定同着メンバーによる課題の再登となり、猪俣、大森、そして田中の3名が決勝へ進んだ。
安定した力を発揮した猪俣
引き続きオンサイト方式となった決勝は3名とも接戦であったが、今期からワールドカップへ初参戦を予定している猪俣が唯一完登となり優勝を決めた。
ice pointにて開催されてきたマンスリーイベントで二連覇をしてきた強さは健在であった。
総括
今回の参加者は普段からフリークライミング含めトレーニングを積んでいるだけあり、予選からハイレベルな内容となり、ドライツーリング愛好家の層が厚くなっていることが実感できた。
ドライツーリングを始めて1年未満でも、環境次第で大いに成長できる。その事を参加者が証明してくれたコンペとなった。
また、男子向けに作られた課題にも関わらず予選を突破し、高度な技術力とタフネスを発揮した竹内春子には脱帽であった。
今期のワールドカップでも活躍を期待したい。
本記事の情報提供 文、写真:@a.y.u.hearn (Instagram)