2024-2025シーズン、World Cupとは別のカテゴリーで開催されるIce climbing Continental Cup。
シーズン中、計5戦に出場した竹内春子が総合優勝の快挙を成し遂げた。
Zilina, Slovakia 戦
予選課題数は2つ。
傾斜の緩い壁の為か、シビアなメタルホールドが随所に配置されていた。ひとつのホールドでアンダーへ切り返すムーブが出てきたが、これがシーズンを通してトレンドのように出てくる事となった。
予選2課題ともに完登した竹内はTOPタイで決勝へ進出。決勝は傾斜の強い壁となり、ルートは男女混合に女子用のホールドがプラス配置された内容。手数も増えたが、処理に困るホールドのガストンや引き付けを正確にこなし、シビアなホールドでフィギュア4を選択した竹内が完登目前まで高度を上げて優勝した。

Bern, Switzerland 戦
予選はYouTubeによる中継が無く決勝のみの観戦となったが、竹内は予選2課題を完登しTOPタイで決勝へ進出。
決勝は手数こそ少ないものの、バランシー、ダイナミックなムーブが詰められていた。竹内は見事完登したとものの完登者が6名出た為、タイム差で4位となった。
前戦に引き続き調子の良さが伺える内容となった。

Brno, Czech Republic 戦
チェコ戦は予選で多くの課題が出される事もあり、近年人気の大会となっている。
今回は5課題だったようだ。予選中継は無く決勝のみ観戦となった。
序盤からシビアなホールドとムーブで落ちてしまう選手が多い中、竹内はボテを上手く利用し、絶妙なムーブを決めながら上部の見せ場であるランジまで高度を進めた。
ランジからルーフでのフィギュア4、9を進めた竹内が見事優勝した。

Utrecht, Netherlands 戦
予選、決勝ともに公式からの中継は無く、イギリスチームによる独自中継からの観戦となった。このような中継は大変ありがたい事だ。
予選を3位で突破した竹内の決勝は、上部から長いロープで吊るされて大きく振れながら回転するギミックホールドを突破できず5位となった。
ここで8人中4人が突破できない課題であった。競技アイスクライミングならではのホールドは見ていて面白みがあった。

Sunderland, UK 戦
ここまで4戦で総合ランキング1位となり、最終戦を残して2位以内を確定させていたが、2位の選手とのポイント差から最終戦も決勝進出が最低条件となり緊張感があったと思われる。
さらに今大会はワールドカップが全戦終了した後という事もあり、コンディションを維持する事もひとつの課題として大変だったものと思われる。
イギリスでは近年ドライツーリング、アイスクライミングの競技において若手を中心に育成が強化されており専門のトレーニングジムもオープンしている。今大会地元という事もあり35人のイギリス選手が出場していた。
そんな中、日本からたった一人参加した竹内は、順当に決勝へ駒を進めた。一部男女混合の課題となり、中盤に差し掛かるキューブから壁に戻るホールドで8人中6人が落ちる波乱。その中でも壁に戻るホールドを保持した竹内が3位となり、見事総合優勝を果たした。


総括
大会単体での優勝ですら快挙、シーズン総合優勝は桁外れの偉業と言っても過言ではない素晴らしい結果です。次なる目標はワールドカップでの表彰台との事で、これからの更なる活躍が期待される。
竹内春子のInstagramアカウントはこちら。
https://www.instagram.com/haruko.takeuchi.58/
本記事の情報提供 文、写真:@a.y.u.hearn (Instagram)