アイスクライミングのシーンで非常に人気のあるアックス、カシンXドリームをドライツーリング向けに改造してみました。
まずは開封します。
説明書と六角が付属しています。
ノーマルの状態です。
まず、中間のグリップレストが微妙な位置に付いており、非常に使いづらいため外してしまいます。アイスクライミングにおいても、このグリップレストの利用シーンはあまりないでしょう。
ボルト1本で固定されているため簡単に外れます。
次に中間のすべり止めを剥がします。これはグリップ力を高めるために付いていますが、掴んでいるだけで手が痛くなる素材のため、自己融着テープやテニスラケット用のグリップテープを巻いた方が使いやすくなります。
剥がすときはドライヤーで温めるとシールの粘着力が弱まり簡単に剥がすことができます。
温めた後は手で簡単に剥くことができます。
剥がしたすべり止めは、勿体ないですが、使い道はないです。
Xドリームの最大の特徴として、ハンドルの取り外しが可能であり、さらに角度を2段階で調整できることです。ドライツーリングにおいても、リーチを出すためにあえてICEの角度で使っている人も多いですが、DRYの角度にすることで傾斜に強くなります。ここはお好みで良いでしょう。
ここもボルト1本で固定されており、簡単に外すことができます。
分解してみました。
簡単に調整できるため、とりあえず1回は角度の変更を試みるのが良いかと思います。
重ねるとこんなにも差がつきました。
グリップの中間にあるトリガーは手のサイズが合わないと非常に使いづらくなるため、外します。
ここはネジ1本で固定されていて、簡単に外れます。
外したあとの形状は凹凸があり、まだまだ持ちづらさが否めません。
ここから後戻りが難しい作業になります。グリップの凹凸をグラインダーで削ってしまいます。
最悪、グリップをダメにしてもパーツ単体で購入することもできます。
出っ張りを削ったあとのグリップ。フラットになりました。
より持ちやすいグリップにカスタマイズするために、「おゆまる」を使います。
熱湯やドライヤーの熱で柔らかくなり、冷えると固まる性質を持つ素材です。安価で使いやすく、アックスの改造に便利です。
お好みのカラーで。
熱湯の出し入れには割りばしがおすすめです。
熱くなったら取り出します。火傷に注意。
形を整えながらグリップに盛ります。自分の手に合ったグリップ形状が望ましいです。特に必要なければ、穴も塞いでしまいます。
もし量が足りなければ追加しましょう。外したいときはドライヤーが便利です。
事故融着テープを巻いて整えます。
ピックを交換します。通常モデルでMIXTEが標準装備されており、これを使っても良いですが、コンペ向けアックスを意識しているため、Krukonogiのピックに交換します。
ピックはボルト1本で固定されています。
交換するKrukonogiのピックはアグレッシブモデルのPX5です。
錆予防として油性マジックで全体を塗りつぶしておきます。(後日、雨の日に使った際、非常に効果的でした)
ブラックに塗りつぶすと、パッと見たときにノーマルと区別がつきません。笑
ピック交換をする過程で、シャフトにも自己融着テープを巻きます。自己満足になりますが、オレンジ色の下地を隠すためにさらにカラーテープも巻きます。
仕上げにハンドルとシャフトにグリップテープを巻きました。もし長さを変更する改造を行った場合はサイズが問題ないことをボックスに入れて確認しておきましょう。
50cm×25cm内に収まっていれば、国際大会のルールにも準拠したアックスとなります。
以上、Xドリームの改造レポートでした。
ドライツーリングのツーリング(Tooling)は道具を意味しますが、やはり自分に合った道具の追及はドライツーリングの醍醐味です。
今後、実際の使用感等もレポートできればと考えています。