ドライツーリングスタイルとは?

ドライツーリングにおいて、フィギュア4とフィギュア9を使わずに登攀することをドライツーリングスタイルと言います。

DTS(Dry Tooling Style)とも表記されます。

フィギュア4、9は支点となる手を押さえつけながらリーチを伸ばすことができるため、ピックのかかりが心許ないホールドから距離を出したいとき等に非常に合理的なムーブとなります。しかし、あえてこれらを使わないことで、登攀はよりシンプルとなり、身体的な強さがさらに求められることになります。

登山では”アルピニズム”と呼ばれる思想があり、自身により困難を課すことを美徳とする考え方を指しますが、ドライツーリングスタイルもこれに通ずる思想であると解釈できます。

スポーツクライミングの中でも、特にフィジカルという要素に重きを置いたドライツーリングであるからこそ誕生した思想ではないかとも考えられます。

ただし、フィギュア4、9を使わないことがより上級的な志向であるかは実際のところよく分かりません。当然、競技的に見れば、状況に応じた使い分け、合理的な判断ができることが望ましいと思います。

このあたりは個々の流儀を尊重すべきだということを最後に付け加えておきます。