ドライツーリングは「D」グレード
ドライツーリングでは、ドライの頭文字をとって「D+数字」でグレードを表します。
基本的にルートのグレードをはかる際は、ミックスクライミングの「M」グレードが参考になりますが、氷のない岩のみの状態での登攀となるため、「M」グレードがそのまま「D」グレードに置き換わるような単純なものではないようです。
また、そもそも日本にはドライツーリングの人口が多くないため、この「D」グレードの信ぴょう性は非常に危ういところがあります。
あくまで参考までとなりますが、「D」グレードの体感値を(初心者目線ではありますが)書いてみます。
- ~D4
スラブ状(寝ている状態)の壁での登攀。急な坂道を慎重に登るような感覚。
- D5
バーティカル(垂直)の壁での登攀。初級のアイスクライミングの感覚。
- D6
バーティカル(垂直)から、やや傾斜が強くなった壁での登攀。部分的に身体を持ち上げる辛さが出てくる。
- D7
傾斜が強い壁での登攀。部分的にテクニカルなムーブが要求される。
- D8
非常に傾斜が強い壁での登攀。このあたりからフィギュア4、浮きアンダー、引き付け等のドライツーリングらしい動きが多くなる。
- D9
非常に傾斜が強い壁、ルーフでの登攀。フィギュア9とフィギュア4を駆使した空中戦(ルーフにぶら下がる動き)などが出てくるため、ドライツーリングの世界観が伝わってくる。登竜門?
- D10
このあたりから徐々にワールドカップ級の選手の領域へ…
- D11
北海道の神居古潭にある「斬鉄剣」がM11+とされており、おそらくこのあたりか。
日本ではこれ以上の高難度課題は記事執筆時点では確認されていない。新たな高難度グレードが現れることを期待したい。
海外の高難度グレード
海外ではより高難度の課題が登られています。
参考動画と合わせてご紹介します。
- D12
イタリアはイゼーオという街にある、バス デル クアイ(Büs Del Quai)というスポット。スクィーティング ウーマン(Squirting Woman)。
- D13
フランスのファヴェルジュにある、キャストール エ ポリュックス(Castor et Pollux)という課題。
- D14
スイス・エプティンゲン(Eptingen)にある、D14+の課題。アイアンマン(ironman)
2018年4月某日。某C’mon氏完登。おそらく日本人の現在最高到達地点。
- D15
イタリアのドロミテ、トゥモローズワールドにある、ア ライン アボウブ ザ スカイ(A Line Above The Sky)という課題。
ちょっと前の世界最高難度の課題。また、アンジェリカ・ライナーによる女性最高難度。
2018.08.06 追記
7月に韓国のkwon選手が中国は武漢にある洞窟で、D15+のルートを開拓・初登に成功しました。
ルートの長さは50m。ほとんどがルーフの課題です。アジアで最難関の課題となります。
kwon氏はアジアでの高難度課題開拓に以前から情熱を燃やしており、
それが叶った形になりました。
- D16
世界最高難度の課題。カナダのブリティッシュ・コロンビアにある、ストームジャイアント(Strom Giant)