ドライツーリング用グローブ選び方


ドライツーリングを始めた頃に誰もが悩むであろう、グローブどれがいいのか問題。登山用品店にはなかなか適したグローブは売られていない。今回は実際の現場でよく使われているグローブについて迫っていく。

グローブ着用の目的

アイスアックスを用いるドライツーリングでは、グローブを着用することでハンドルを持つ手のグリップ性を高めることが主目的だが、もちろん手指の保護といった役割もある。

また、アウトドアシーンでの状況次第では、防寒対策という側面もある。グローブの生地が厚いほど防寒性能は高まるが、当然アイスアックスの操作性は落ちるため、どこまでトレードオフするべきかという課題になってくる。

季節やコンディションに合わせて最適なグローブは変わる

どんなグローブが向いているか

さて、そもそもどんなグローブが使われているのか。

アイスクライミングワールドカップ等のコンペティションで使用可能なギアについては、UIAA(国際山岳連盟)のウェブサイトで確認できる。ここではグローブについては多くの選手がゴルフグローブやマウンテンバイク用のグローブを用いるという記載がある。ルールとして、グローブの種類を制限するものではないが、実態としては、安価で入手しやすく、サイズも豊富なゴルフグローブが主流となっている。

アウトドアシーンでは、薄手のアイスクライミング用グローブで代用できなくもないが、厚みが増すほど操作性が損なわれ、繊細なピックコントロールは難しくなる。また、アイスアックスの持ち替えが頻繁に発生するコンペティションでは、手と手が重なり合うときにグローブ同士が干渉するため、やはり薄手のグローブが望ましい。

厚手のグローブではドライツーリング特有の繊細なピックコントロールが難しい

ゴルフグローブどれがいい?

多くのプレイヤーが模索し続けている課題であり、最適解と呼べるかは不明だが、ここ数年コンペティションで実績を上げている選手のほとんどが韓国製のゴルフグローブを着用している。

それが韓国製TOVA SPORTSの羊革のグローブだ。

http://www.ttova.com/default/

オフィシャルサイトの記述を見てみると、 以下のように書かれている。

手のひらは100%天然皮革手の甲は、高度な合成繊維を使用しており、価格性能比の最高の製品です。

天然シープスキンと合成繊維の組み合わせでグリップ力を必要とする部分にシープスキンレザーで柔らかく、高弾力を必要とする手の甲の部分には、合成繊維を使用してフィット感とグリップ力を高めました。

特に女性は花柄を入れてファッション感覚と美しさをプラスしました。

グローブの性能の良し悪しについては、読み取れないが、実際に多くの選手に使われているのには大きな理由がある。

それは価格が安いことである。日本円換算だと、左右セットでおおよそ1,000円強といったところ。価格の割に、天然皮革でグリップ力にも定評があり、月に数枚のグローブを破るほど練習を重ねるコンペティターにとっては、このコストパフォーマンスこそが最大の評価ポイントとされている。

低価格でありながら高品質なグリップ性能を発揮する
多くのコンペティターが予備をストックしている。
練習による摩耗で小指部分が特に破れやすい
手の平も破けることがある

日本国内で買えるゴルフグローブ

海外製品の輸入が難しい場合、日本国内で販売されているゴルフグローブが選択肢になってくる。

最初の障壁となるのが、右手用グローブがラインナップされているかどうかである。ほとんどのゴルフ用グローブは左手用単体で使うことを想定されているため、右手用もあるグローブは意外と少ない。

革の種類は様々あり、その良し悪しについて個々人の好みがあるため詳しく言及することはないが、天然皮革は人工皮革に比べて耐久性に劣るためコストパフォーマンスは良くない。それでもグリップ性能を評価し、天然皮革を好む人は多い。また、実際に使ってみないとフィット感は確認しづらく、安い製品は往々にして、品質が低い傾向があることは否めない。コストと相談しつつ、消耗品としての価値を見極めることが重要だ。

左:人工皮革、右:天然皮革
やや高額だが定評のあるミズノWグリップ
グリップ性能は重要
低価格なモデルもある
安価なグローブはやはりグリップ性能に不安がある

ゴルフグローブ使いこなし術

最後にドライツーリングにおけるゴルフグローブの着用術を紹介したい。

サイズ選び

ゴルフグローブは1cm単位でサイズを選択できるが、自分の手より一回り以上小さいサイズを選ぶのがベターである。これはフィット感を高めることが目的であるが、使っていく過程でグローブの生地が伸びていくことを考慮している。

花柄グローブは女性向けサイズだが、男子選手にも愛好者が多い

テーピングで補強

ゴルフグローブは手首の部分のフィット感が思いの外弱い。フィギュア4のような過度に負担がかかる動きがゴルフにはないため、当然そのあたりは想定されておらず、プレー中に手首のあたりが緩んでくることがある。そのため、テーピングで手首を固定すると良いとされる。小指や人差し指など局所的に負担がかかる箇所をテーピングで補強することも有効である。

手汗対策

個人差もあるが、手汗をかく人は手の平にチョークをつけたうえでゴルフグローブを着用することも有効だ。特にコンペ前にはこれを用いている選手をよく見かける。様々な工夫の余地がある。

もはやドライツーリング用品と言ってもいい、ゴルフグローブ。自分に合った最適のグローブを見つけ出してもらえれば幸いである。