年明け2020年1月3日から、いよいよアイスクライミングワールドカップが開幕する。
本記事ではワールドカップシーズンをより楽しめるような情報をお届けしたい。
まずはUIAA公式チャンネルがリリースしたプロモーション動画を見てシーズンの期待を高めていただきたい。
ワールドカップの日程
動画内で表示されている通り、日程は下記となる。
- 初戦:中国 2020/01/03-05
- 次戦:韓国 2020/01/10-12
- 最終戦:スイス 2020/01/23-25
各会場、参加人数次第ではあるが以下のように進行する。
- 予選
- 準決勝(16名程度)
- 決勝(8名)
UIAAによるyoutubeストリーミング配信はセミファイナルの模様から見ることが出来る。
11年振りに全3戦となった今シーズン
過去に遡って見てみると全3戦で終了したシーズンは2008-2009シーズンであった。
昨シーズンでは第6戦まであったので半分になってしまったが、考え方を変えれば、全戦参加が可能となる。
各々状況は異なると思うが、本業の傍ら出場している選手も少なくない。
サラリーマンでも全戦出場が叶う可能性が高いのが今シーズンの特徴だ。
6戦もある場合、出場出来なかった会場が出てしまうと、総合成績でどうしても順位が下がってしまう。
総合成績の上位を望むなら、今シーズンはうってつけというわけだ。

実はもう始まっている!?
実はヨーロピアンカップが既に始まっている。
スイスはベルンで行われた大会がヨーロピアンカップ初戦にあたる。
現在は第3戦まで終了している。
ワールドカップとしてみると少ないが、ヨーロッパの選手たちはヨーロピアンカップとワールドカップを戦い抜いていくことになるため、長いシーズンとなりそうだ。
ヨーロピアンカップ日程
- スイス ベルン 2019/11/23
- チェコ ブルノ 2019/11/30
- スロバキア ジリナ 2019/12/07
- フィンランド オウル 2020/02/29
初戦の模様はUIAAのyoutubeチャンネルでも確認できるが、そのほかの会場は動画を確認できなかった。見つけ次第追記したい。
リザルトについてはUIAAのウェブサイト「UIAA ICE CLIMBING CONTINENTAL CUPS」のページで確認可能だ。
アジアカップも見逃せない
今シーズンはアジアカップとしてイランで行われることが決まっている。
イランというと中東の砂漠地帯をイメージすると思うが、高原地帯が北西部に広く存在し雪も降る。
11月から5月まで長い期間スキーシーズンが楽しめたりと意外なウインタースポーツの穴場として注目を浴びている。
もちろん、アイスクライミングも例外ではない。
そんなイランで行われるアジアカップは、おそらく新興のギアメーカー、ICTの協力が多分に予想される。
イラン製のメタルホールドが多数出現するのではないだろうか。
ICTのツールを使う選手も登場するかもしれない。

選手を覚えるとより楽しめる
まずは昨シーズンの上位選手を覚えていくといいだろう。
総合成績1位のTolokonia Maria選手や各大会ごとで1位をとった選手など、強い選手達のパフォーマンスは見ていて面白い。
他にも自分と同じアックスを使っている選手を見つけたら、その選手を覚えて応援してみるのも面白いかもしれない。
今シーズンはこの選手推し!というのを見つけられると楽しめることうけあいだ。


ギアやホールドに注目してみる
見たこともないギアにも注目だ。
特にフルートブーツは日本に情報がないものを使っている選手もいる。
アックスやフルートブーツはここ最近新しいものが出てきたのでどれほどの選手が取り入れているのかも見所だ。
違いを楽しむ
既に人工壁でドライツーリングをやったことがある人なら知っているホールドがあるかもしれない。
世界最高峰の舞台でどんな使われ方をしているのか観察してみるのも面白い。
まだドライツーリングをやったことがない人は手で掴むホールドとの違いなどに注目してみると違いを楽しめるかもしれない。
実況を聞いても楽しい
今シーズンも続投するか定かではないが、実況のリアムロンズデール氏の身体を張ったボケ?も見どころの1つであろう。
- 凍った湖のうえをスライディングする
- 着ぐるみを着て会場入りする
など、概ね「出落ち」のネタが主となり、動画の冒頭で魅せてくれることが多い。


いくつかの単語を覚えておくといい
英語で実況が行われるがいくつかの単語を覚えておけば何を言っているのかなんとなく把握できる。
「steep section」
→強傾斜のこと。
「strenuous」
→厳しい状態が続くこと。
「absolutely」
→絶対に、まったく、完全な
比較余地のない強い意味合いを表現する時に使われる。
度肝を抜くようなムーブが出ると良く聞く。
「nightmare」
→悪夢
思わぬところでフォールしたりした時に聞くことがある。
マニアックだがこんな楽しみ方も
解説者として登り終わった選手が呼ばれ実況と話すことがある。
やり取りは英語でおこなわれるがそれぞれの選手の声や喋り方から、どんな人物なのか想像するのも面白い。
スピード種目を見ると楽しい
アイスクライミングワールドカップと称しているが、リード種目はほとんどのセクションがドライパートとなっているのが現状だ。
対してスピード種目は100%アイスパートで行われる。
これこそがまさにアイスクライミングの世界大会と言えるものなのかもしれない。

速く上へあがるということ
スピード種目は文字通りゴールまでの速さを競うシンプルな種目だ。
同じく氷の上で速さを競う種目としてスピードスケートがある。
氷の上は滑る。スピードスケートでも「転倒」が起こり逆転劇をたまに目にするが、アイスクライミングのスピード種目の場合、手がかりとしている氷が「壊れる」ということがままある。
これが逆転劇を頻繁にうみだし、最後まで結果がわからないのが見ていて面白い。
NIPPONを応援すると楽しい
これまであれこれと述べてきたが、もちろんチームジャパンの活躍を何よりも期待したい。
今シーズンは男性が5名、女性が6名エントリーしている。
各選手このシーズンの為に準備してきたはずだ。
存分に力を出し切って世界と張り合って欲しい。