2019年2月2・3日、イタリアのラーベンシュタインでアイスクライミングワールドカップの第4戦が行われました。
youtubeのUIAAチャンネルからセミファイナル及びファイナルの模様を見ることができます。
イタリアの会場は川沿いの平らな土地に設けられた特設会場で行われました。
いくつかの柱を立ててそれらを繋げ、そこに氷を発達させてルートを作っているようです。
日本からは女子2名が出場しました。
リード種目ファイナルの様子
リード種目セミファイナルの様子
スピード種目ファイナルの様子
男子
女子
スピード種目セミファイナルの様子
リード種目予選
男子予選は上位選手が順当にコマを進めました。
女子予選は竹内春子選手15位、八木名恵選手17位で予選通過。
2ルート完登で同率1位が8人も出る結果に。
スピード種目
男子セミファイナルはロシア勢が上位を占める中、6位にフランスのLADEVANT LOUNA選手が、7位にイランのBEHESHTI RAD MOHSEN選手が食い込みました。
女子セミファイナルはロシア勢に混じり、7位にフランスのTHOMAS MARION選手、8位にアメリカのSTRITCH KENDRA選手がファイナルへ。
孤独のウイニングラン
女子3位決定戦、KOSHCHEEVA EKATERINA選手vsTOLOKONINA MARIA選手。
1登目でTOLOKONINA MARIA選手がまさかのフォール。
2登目、KOSHCHEEVA EKATERINA選手だけで競技スタート、流すように登り3位が決定しました。
同様の事態が優勝決定戦(FEOKTISTOVA EKATERINA選手vsBOGDAN VALERIIA選手)でも起こり、FEOKTISTOVA EKATERINA選手が2登目を前に「これ、やる意味あんの?」と言わんばかりの表情をしていたのが印象的でした。
一方男子3位決定戦、優勝決定戦は接戦となり、KUZOVLEV NIKOLA選手とNEMOV ANTON選手がそれぞれ勝利しました。
スピード種目男子
順位 | 選手名 | 国 |
---|---|---|
1位 | NEMOV ANTON | RUS |
2位 | SUKHAREV ANTON | RUS |
3位 | KUZOVLEV NIKOLAI | RUS |
スピード種目女子
順位 | 選手名 | 国 |
---|---|---|
1位 | FEOKTISTOVA EKATERINA | RUS |
2位 | BOGDAN VALERIIA | RUS |
3位 | KOSHCHEEVA EKATERINA | RUS |
スピード種目こぼれ話
日本語が聞こえる…
八木選手のトライ中、「ガンバ、ガンバ!」「あと少し!」と仲間を想う竹内選手の声援がよく聞こえてきました。
さらに、自身のトライ中「まって〜、まって〜」やゴール直前「疲れたー!」と発するなど、彼女の人柄がにじみ出る様子に竹内選手のファンは微笑ましく思ったことでしょう。
日本人女子選手のスピード種目の結果は竹内選手が15位、八木選手が14位でした。
また、選手同士の交流があるのか、チェコのLOUZECKA ANETA選手がポーランドのKOSEK OLGA選手のアイスフィフィを借りて挑戦していました。OLGA選手の寛大さを感じるひとコマもありました。
リード種目セミファイナル
開始してすぐ八木選手が登場。
しかし、セミファイナルあるあるにより、途中から別の選手が映し出され最後までみれず…。
察するにkrukonogiのボールホールドの餌食になってしまったのではないでしょうか。
結果は17位。
竹内選手は前回苦慮したアイスバレルを見事に攻略。その後のドライパートまで進みフォール。
15位となりました。
危険なフォール
このセミファイナルでは、危険なフォールを見かけることがありました。
LADEVANT TRISTAN選手やKIM JUNG-MIN選手がフォールした際、壁に身体をぶつけるアクシデントがありました。
ルートに問題があったのか、ビレイヤーに問題があったのか、様々な要因が重なって起きてしまった事だと思います。
改めてクライミングは危険をはらむ行為であることを認識した出来事でした。
リード種目決勝
決勝は女子3名が序盤でフォール、男子ではLEE YOUNGGEON選手が序盤でまさかのツールロスト、さらにGLATTHARD YANNICK選手がランジを失敗し、5位に終わるなど波乱な展開に。
ファイナルまで勝ち進み、最後に力を出し切れずに終わるのは非常に悔やまれます。
そんな波乱の中、巻き込まれながらも結果を出してきたのが、やはりというべきか、TOLOKONINA MARIA選手とKUZOVLEV NIKOLAI選手でした。
TOLOKONINA MARIA選手は最後のアイスバレルに移る時にツールロストしてしまいましたが、SHIN WOONSEON選手がそこまでの高度に達しなかったため優勝。
KUZOVLEV NIKOLAI選手は途中のクイックドローがアイスバレルに引っかかっており、テクニカルインシデントで再トライとなり最後に再度登場し見事優勝を決めました。
リード種目男子
順位 | 選手名 | 国 |
---|---|---|
1位 | KUZOVLEV NIKOLAI | RUS |
2位 | PARK HEEYONG | KOR |
3位 | CLAIR NATHAN | FRA |
リード種目女子
順位 | 選手名 | 国 |
---|---|---|
1位 | TOLOKONINA MARIA | RUS |
2位 | SHIN WOONSEON | KOR |
3位 | SONG HAN NA RAI | KOR |