UIAA アイスクライミングワールドカップ2019 第2戦 中国

2019年1月19・20日、中国の北京でアイスクライミングワールドカップの第2戦が行われました。
その模様はyoutubeのUIAAチャンネルからセミファイナル及びファイナルを見ることができます。

中国の会場は凍った湖の一角に設けられ、湖の上を歩いて会場まで行くことができるようになっていました。

日本人選手は男女各1名が参加しました。

リード種目ファイナルの様子

リード種目セミファイナルの様子

スピード種目セミファイナル~ファイナルの様子

予選

リード種目男子、伊藤権次選手は予選23位。
女子は竹内春子選手が予選通過。
強さを見せてくれました。

魔のセミファイナル

今シーズンはセミファイナルに魔物が住んでいるのか…。
大会上位選手が次々と下部でフォールする事態となりました。
男子では初戦 韓国のファイナリストGrebennikov Dmitriy選手や、アメリカチームをけん引するLindlau Kevin選手、昨シーズン大活躍のDengin Alexey選手など。
女子では韓国の2トップSong Han Na Rai選手とShin Woonseon選手がまさかの2手目で墜落してしまい、セミファイナル敗退となりました。

セミファイナルあるある

リード種目セミファイナルは男子と女子の競技がほぼ同時に始まるため、画面に映る選手は基本的にどちらか一方の選手となります。
ウラで登る選手はたまにワイプで映されることがありますが長くは映りません。
そのため必ずしも全選手の登りを見ることができません。

そして、今回もセミファイナルあるあるが起こってしまいました。

ロシアTarasov Sergey選手トライのウラで日本の竹内春子選手の出番がきました。
Tarasov Sergey選手は驚異的な粘りでタイムアップするまでトライを続け、竹内選手のトライがワイプで数秒しか見ることができないという事態に…。(ちなみにTarasov Sergey選手は1966年生まれの50代選手です。天晴れというほかありません。)
リアルタイムで竹内選手を応援していたファンは非常にヤキモキしたことでしょう。
第3戦の配信に期待です。

リード種目決勝

やはりこの2人は強い!
男子Kuzovlev Nikolai選手、女子Tolokonina Maria選手が初戦 韓国に続き表彰台のトップを飾りました。

リード種目男子

順位 選手名
1位 Kuzovlev Nikolai RUS
2位 Clair Nathan FRA
3位 Lee Younggeon KOR

リード種目女子

順位 選手名
1位 Tolokonina Maria RUS
2位 Mcswiggan Eimir IRL
3位 Bertling Enni FIN

男子躍進はフレンチクライマーのClair Nathan選手。
ルーフのセクションでは敢えて足ブラになっているような印象を受けました。
普段はDTSで登っているのかもしれません。非常にパワフルな登りでした。

女子躍進はフィンランド勢Bertling Enni選手と4位につけたポーランドのKosek Olga選手。
着実に順位をあげてきました。

他にも、王者Park Heeyong選手がまさかのランジ失敗や、初戦 韓国で初手ふい落ちのMcswiggan Eimir選手が今回挽回と見ごたえのある決勝でした。

スピード種目 2人のアントンと2人のエカテリーナ

スピード種目の結果はご覧の通り。

スピード種目男子

順位 選手名
1位 Vladislav Iurlov RUS
2位 Vladimir Kartashev RUS
3位 Anton Sukharev RUS

スピード種目女子

順位 選手名
1位 Ekaterina Koshcheeva RUS
2位 Ekaterina Feoktistova RUS
3位 Maria Tolokonina RUS

相変わらずのロシア一色。強いです。
男子3位決定戦では2人のアントンさん対決、女子優勝決定戦では2人のエカテリーナさん対決が見られました。

スピード種目、特に見どころだったのは、男子決勝ラウンド準決勝でAnton Sukharev選手がツールロストした後にアイスフィフィ1本で登り切ったシーンがありました。
ツールロストの時点で公式に記録はつきませんが、13秒台で登ってしまったところをみると相当早いです。魂のこもったトライでした。

開催国選手

開催国中国の選手は全員第2戦のみの参加でした。
その中でリード種目女子Qi Luo選手がセミファイナル出場、スピード種目男子Chen Liji選手、Zhang Dingfeng選手が決勝ラウンド準々決勝までコマを進める結果に。
エントリーしている選手は2000年代生まれの選手が多く、今後活躍していく可能性があります。

まさかの選曲

驚いたのは競技中の選曲で、DA PUMPの「ごきげんだぜっ!」や「Rhapsody in Blue」がかかっていたことです。
昨年リリースの「U.S.A.」の影響と思われますが、大会関係者のアンテナの高さがうかがえました。