ゴリラカップ feat.アストラクライミング(a.k.a 田中星司)【イベントレポート】

2020年8月1日(土)、8月2日(日)にかけて、熱烈なドライツーリング愛好家たちの間で草コンペが開催された。今回、コンペ会場に潜入することができたため、熱き戦いの記録をここに記したい。

ゴリラウォール

舞台は、東京・青梅にあるドライツーリング壁「ゴリラウォール」だ。このジムは個人所有のいわゆるプライベートウォールであるが、強傾斜やルーフがあり、世界各国の最新ホールドが導入され、プライベートウォールの域を超えたトレーニング施設となっている。

今回、ここで待望のコンペが開催されたわけだ。

ゴリラウォール

ルートセッターは誰?!

今大会のルートセッターを務めたのは、アストラ☆クライミングの田中星司氏だ。クライミングインストラクターとして有名な同氏だが、近年はドライツーリングにも造詣を深めており、圧倒的な洞察力とコーチングスキルを発揮したプライベートレッスンはドライツーリング愛好家の間にも狂信的なファンがいるほどだ。

また、アストラ☆クライミングを受講した選手の数名は直近のアイスクライミングワールドカップでも成果を残している。

インストラクター田中星司

スイスからの挑戦

今大会の目玉として、スイス製のドライツーリングホールド、スマートストーン(SMART STONES PRO)が多用された。

このホールドは石の形状をしており、フッキングポイントの見極めが非常に難しいことが特徴である。メタルホールドとは異なる緊張感があり、岩稜帯をアックスで登攀しているような感覚を味わえる。ときにピックとの摩擦で火花を散らすこともある。

SMART STONES PRO
スイス製の石ホールド

コンペレポート

昨今の社会情勢の影響もあり、今大会にエントリーできるのは、東京圏在住で、かつコンペ経験が一定以上ある招待選手に絞られる運びとなった。参加者はアイスクライミングワールドカップ経験者を中心に男女合計9名となった。

課題は3本用意され、約30手のルートをオンサイト形式で登るものだ。

見慣れないホールドが多用されるなか、一発勝負という緊張感との戦いがこのコンペの本質的な部分となっており、トップ選手でさえミスが起こりうる。特にスイス製の石ホールド・スマートストーンがいくつかのドラマを生み出す展開となった。

結果は下馬評通り、最終的には橋本翼、中島正人、森田修弘の三つ巴の戦いという展開になったものの、全ルートでほぼミスすることなく完登した橋本翼が実力を見せつける結果となった。

また、女子選手ではプロ・アイスクライマー八木名恵の久しぶりのコンペ登場にも注目が集まり、男女混合という競技ルールのなかで見せたその気迫の登りは、今大会のハイライトのひとつとなった。

橋本翼選手
中島正人選手
八木名恵選手

リザルト

順位選手名性別
1橋本 翼男子
森田 修弘(※参考記録)男子
2中島 正人男子
3八木 名恵女子
4古平 和弘男子
5松永 英知男子
6笹川 淳子女子
6堀川 恵一郎男子
6田名網 宣成男子

※森田修弘選手はフラッシュトライを含むため参考記録として表示

今後のゴリラウォールでのイベント情報は未定だが、進展があり次第またお届けしたい。