ボルダー式ドライツーリングコンペ開催!「アイスクライミングうでだめしコンペ」【コンペレポート】

2018年10月22日(月)、曙橋ベータクライミングジムにて、ドライツーリングコンペが開催されました。
ベータクライミングジムと言えば、ドライツーリング愛好家にはすっかり定着した印象のある月一回開催のアイスアックス専用ルートが設けられることがウリのジムですが、今回ついに初のコンペ開催が実現しました。

大会概要


第1回アイスクライミングうでだめしコンペ

ファンクラス、エキスパートとグループが区分され、それぞれ予選と決勝を行う本格的な形式での大会です。オブザベーションタイムは2分。
アイソレーションルームも用意されており、そこでボルダー壁とドライアイスツールを使ってアップができる等、かなり細かいところまで配慮されています。もちろんアックスやヘルメットのレンタル品も充実しています。
平日の夜の開催にも関わらず、仕事終わりの情熱的なクライマーが集結しました。普段からボルダリングで鍛えている強者がひとたびアックスを握れば、もうすでに立派なドライツーリング選手と言うことで、エキスパートクラスはもちろん、ファンクラスからも非常に難しい課題が用意されていました。

ルート


メインルートセッターはプロ・アイスクライマーの八木名恵選手。いつも通り、メタルホールドやチェーン、マグロ等のお約束のギミック満載なルートがセットされましたが、セッション練習のときより確実に距離が伸びて、悪いホールドが多用されていました。

ベータクライミングジムのドライツーリングウォールは、元々がフリークライミング用の壁のため、高さに限界があり、必然的にトラバース型のルートがメインとなります。不安定な体勢から横移動を強いられることが多く、体幹の強さがないとムーブが起こすことが難しくなります。また、ガストンやプッシュ、ヤンガー等の基礎的な技術が試されるのも特徴です。

予選課題は、いつもセッション練習日でやっているレベルに近い内容でしたが、決勝ではかなり難しい課題が用意され、翻弄された選手も目立ちました。

エキスパート男子では、埼玉岳連TMGC所属のクライマー越後大樹選手が見事に優勝。トロフィーが授与されました。

競技志向の選手にもおすすめ

コンペの持ち時間はデジタル表示で明確に管理され、厳格なルールに基づいたジャッジも的確。ギャラリーからの助言のような声援もシャットアウトされ、草コンペにありがちなゆるさは微塵もなく、この大会に対する運営陣の思いの強さ、プロ意識の高さを感じました。競技志向の強い人や、これから大きな大会への出場を志している人にとっては、コンペ経験を少しでも多く積むうえで意義が大きい大会だと思います。

今後もベータクライミングジムでのドライツーリングイベントに注目しつつ、第2回大会の開催にも期待です。