2020年9月12日(土)、東京・曙橋ベータクライミングジムで第4回ドライツーリングうでだめしコンペが開催された。
今大会より、大会名称が”ドライツーリング”と銘打たれ、本格的にドライツーリングらしい大規模なギミックが展開された。
感染予防対策の強化
2020年は次々と開催予定だったドライツーリングのコンペが中止となっているなか、ベータクライミングジムは開催決定に踏み切った。
トライ中のプレイヤー以外のマスク着用はもちろん、エリア毎に立ち入り人数の制限や声援の禁止など、昨今の社会情勢を強く意識した厳格なルールが設けられた。
毎大会、遠方から出場する選手が目立つが、今大会はほぼ首都圏在住の選手たちで14名が集った。
少人数の都合もあり、全員オープン参加かつ男女混合という方式が採用された。
白熱する予選
予選課題はボルダースタイルで10ルート用意され、各ルート2分の制限時間が設けられた。
2大セッターの共演
ベータクライミングジムでお馴染みの2大ルートセッターによる異なる個性が今大会の予選を大いに盛り上げた。
橋本翼氏は基礎的な能力が試されるものを重視する傾向があり、かずお氏はトリッキーなムーブを要求する課題づくりが特徴だ。
特色ある課題は、選手たちを悩ませ、苦しませ、そして楽しませる。ルートセッターにとっても、まさに”うでだめし”コンペと言えるかも知れない。
予選結果
そんな中、プロ・アイスクライマー八木名恵選手が唯一の10課題全完登を達成し、圧巻のパフォーマンスを見せた。続き、日本ドライツーリングクラブ中心メンバーの森田修弘選手と、若手有望株の長谷川陽央選手が9課題完登。実力者たちが着実な成果を残した。
結果的に7課題以上完登した選手7名が出揃い、そのまま決勝進出となった。
ボルダー&リード方式の決勝ルート
決勝課題はボルダー課題が1ルート、リード課題が1ルートの2本勝負構成で展開された。
決勝ボルダー課題
ボルダー課題は24手のロングルートで、フッキング難易度が高いホールドが多数散りばめられ、半数の選手が序盤で落ちる波乱の展開となった。
制限時間3分という厳しい条件の中、森田修弘選手が唯一の完登を果たす。
決勝リード課題
リード課題は見応えのあるルートが用意され、今大会のハイライトとなった。
ハーネスを着用したままボルダースタイルでスタートし、ルートの途中でロープをセットする斬新な課題だ。海外のコンペからヒントを得たようだが、高さのあるベータクライミングジムの特性を活かした大胆なセットとなった。
壁から離れ、宙吊りのオブジェクトにアックスをかけて移っていくムーブは、まさにドライツーリングの醍醐味である。
こちらも制限時間3分で、最終登者の八木名恵選手が見事に完登を果たした。
リザルト(決勝進出者のみ)
順位 | 選手名 | 性別 |
1 | 森田 修弘 | 男子 |
2 | 八木 名恵 | 女子 |
3 | 長谷川 陽央 | 男子 |
4 | 笹川 淳子 | 女子 |
5 | 吉田 孝幸 | 男子 |
6 | 堀川 恵一郎 | 男子 |
7 | 松永 英知 | 男子 |
ベータクライミングジムでは、今後またイベント開催時に再び空中戦が楽しめるギミックが解放されるかも知れない。今後の動向にも注目していきたい。