灼熱のドライツーリング練習会。第3回ビギナーズキャンプin昭島【イベントレポート】

2019年8月31日(土)、2019年9月1日(日)の2日間で開催された第3回となるビギナーズキャンプ。
今回の開催地は都心に近い東京・昭島ドライツーリングウォールということもあり、盛況となった。リピーターと初参加者がそれぞれ入り混じり、今回はビギナーという枠をこえてクライマーが集まった。

昭島ドライツーリングウォール

また、今回のイベントを開催するにあたり、ドライツーリング愛好家有志と銀嶺会のコラボレーションが実現した。
銀嶺会は、女性だけで構成された神奈川県を本拠地とする山岳会だ。少数精鋭で本格的なアルパインクライミングを主としている。
アイスクライミングの技術向上のトレーニングとしてドライツーリングを始めた会員がいることが契機で、今回のイベントは実現した。

近頃ドライツーリングに注力している銀嶺会 笹川選手

シンプルな練習内容

ビギナー向けの練習会を謳っているが、第1回からリピート参加し続ける自称ビギナーたちの実力向上に伴い、中・上級者の課題も多めに用意された。
しかしながら練習内容は至ってシンプル。持ち時間4分で各自選んだ課題をひたすら登るだけだ。
開催日は湿度が非常に高く、厳しいコンディションであったが、その中で登り続ける意思の強さが試される。このあたりの練習方式は第1回から変わることはない。

練習風景
練習風景
練習風景
練習風景
練習風景

特色あるルート

今回、特設されたルートには様々なホールドが採用された。ビギナーズキャンプではお馴染みの木っ端をメインにしつつ、ロシア、韓国の見慣れたホールドが並ぶほか、ドライツーリング愛好家のお手製ホールドも用意された。もちろんお約束のチェーンも吊るされた。
さらに日本ではまだほとんど使われていないイラン製のホールドが目を引く。

ICT hold
ICT hold
ICT hold

イラン製のホールドは、初見でフッキングポイントを見極めるのが非常に難しく、かかりも良くないため、ビギナー向けとは言い難いが、それでも果敢にチャレンジする選手の姿が目立った。

最初にトライした銀嶺会のクライマーが見事にオンサイトを決めたが、2日間通して完登者はわずか2人にとどまった。
今後、各地でもイラン製のホールドが普及するかは分からないが、様々なホールドを知っておくことはコンペティターにとって大きなアドバンテージとなるだろう。

小規模だが活気溢れるコミュニティ

クライミングとしてはマイノリティな存在のドライツーリングであるため、数少ない同志が集まるイベントはやはり貴重な情報交換の場にもなっていった。
海外の最新ギア情報が入手できるのはもちろんだが、参加者同士での道具の貸し借りも頻繁に行われていた。
マニアックなドライツーリングギアを実際に手に触れる機会はなかなかないため、コアなドライツーリング愛好家が集まるイベントはそれだけでも価値があるのかも知れない。

海外メーカーのアイスアックス
ドライツーリング愛好家の間で流行っているアックスフラワー

最後に

少しずつではあるが、競技人口を増やしつつあるドライツーリング。引き続き、昭島ドライツーリングウォールでは、練習会イベントが組まれているようなので、興味のある方は要チェックだ。